「コンクリート」は、材質、寸法、粒径の定められ、精選された粗骨材、細骨材、それらを適切に固化させるためのセメント、水、混和剤を目的に応じて配合し混合されたものです。そして、型枠内にびっしりと配置された鉄筋相互の、狭い空間に流し込める流動性を保った流状体で打設され、その後の、適切な養生によってセメントが骨材を緊密に固結させ、所要の強度を得て供用されています。 しかし、双方の構成材をセメントを除いて、固体粒子の構成から見ると、コンクリートの粗骨材は土質材料の礫に、細骨材は砂の範疇に属することになり、その面から見ればコンクリートの骨材は、品質、形状・寸法が定められた、土質材料中の精選されたエリートと見ても良いことになります。そしてその砂礫を、できるだけ密にセメントで強固に緊結したものが信頼度の高い「コンクリート」となるのだと思います。そうした目からは、締固め不要な「流し込み打設」が出来そうだからと、泥状土に固化材を混ぜるだけで打設してみようとの「流動化処理工法」は、まさに、”鵜の真似する鴉”の謗りを受ける懼れがないではなかったのです。 こっそりと実験を試み始めて、データを集めている内に私達は不思議な感銘を覚え始めています。とにかく”泥”と固化材を混合すると、これから説明しますような、何か珍しさを感じさせる”締め固めた土”とは全く異なった挙動を示す、これまでにない、新しい建設材料「流動化処理土」であるとの息吹を感じているのです。 |